『消えたベラスケス』と先祖のお宝 3月7日

  • 2019.03.07 Thursday
  • 10:50

 

寒の戻りか気温が少し下がり、雨が降りそうな空模様。

 

本日のお題『消えたベラスケス』ローラ・カミング著、五十嵐加奈子訳、柏書房、2018年1月出版。

ようやく読み終えました。

 

著者は1961年生まれ、英国BBCワールドサービスの美術プロデューサーを経て、1999年から「オブザーバー」紙の美術批評を担当。

 

内容はチャールズ1世を描いたとされるベラスケスの1枚の絵画と、それを本物と信じて、まるで小説か映画のようなドラマチックな人生を送った男ジョン・スネア(英国レディングの書店主)と、ベラスケスの絵画について、当時の資料を探し、読み解いていくミステリーかと思うような本で、アマゾンの内容紹介には歴史ノンフィクションと書いてありました。

 

ベラスケスはスペインの宮廷画家で、有名な作品[ラス・メニーナス](侍女たち)がプラド美術館にあります。

プラド美術館でこの絵を見たエドゥアール・マネ(画家)は「ここが終着点だ、これを超えるものはない」と言ったそうです。

 

 

写真は友人のスペイン土産のベラスケスの絵葉書です。

 

私が驚いたのは、1枚の絵についてどのような経緯で誰に渡ったかということはもちろん、数奇な運命をたどったスネアの裁判の記録を始めとして、いつどこに行ったか、何を買ったかなど探せる資料を綿密にあたっていることでした。

歴史の考証だから資料を確認するのは当然のことかもしれませんが、こんなものまで残しているのという資料が残っているということに驚いたのです。

 

そういえば今の日本で、数年前の書類は処分してしまったというお役所もありました。膨大な資料は保存できないらしいが、紙を減らしてパソコンに保存しようというこの時代に、つじつまが合わないような…。

 

とはいえ、わたしたちも、というか、わたしも日頃不要な書類の処分をしましょうと言ってます。

この「不要」とは何をもって定義するのかと、改めて考えました。

 

 

 

1つの例として、東京新聞2014年4月9日に私が書いたコラムを紹介します。

先祖のお宝

 

 春になり日差しも明るくなると、そろそろ片づけようかという気になりませんか。と言っても何を片づけるかは人それぞれだと思います。今日は先祖のお宝についてです。

 まず蔵や納屋に先祖のお宝が眠っている場合、どうしておられますか。

 

 地方にひとりで暮らす七〇代の女性の悩みは、蔵がたくさんあって、嫁に来てから入ったこともない蔵があるということでした。びっくりですね。この場合、まず蔵に何があるかの調査が必要になります。大変な作業になりますので、子どもたちが帰省した時に一緒に片づけるか、信頼できる人に手伝ってもらうことをお勧めしました。

 

 また別の六〇代の女性は先祖の古文書が蔵に眠っているということでした。その方は自分の代で何とかしないと、息子たちは貴重なものをゴミとして処分しまうと危機感を持たれたようです。

 古文書の価値は、専門家にとっては非常に価値のあるものでも、素人にはただの紙屑という場合もあります。この女性はその価値をよくご存知だったようです。そこでこの古文書を研究の役に立ててくれる人、つまり大学のその道の研究者を探し出し、打診したうえで、寄贈されました。ゴミとして捨てられずに良かったと思います。

 

 このように蔵に眠っているものには、金銭的な値がつくものだけではありません。歴史や文化という意味で価値があるものもあるでしょう。

 それを放置しておくと、先の女性の危惧のように、ゴミとして捨てられるかもしれません。これこそ「もったいない」と思いませんか。また価値がわからなければ専門家に相談してみてください。期待しすぎず、価値がなければスッキリ処分できる、というくらいの気持ちで調べてみてはいかがでしょう。『転ばぬ先の老前整理』に掲載

要・不要だけでなく、歴史的価値や文化についても考える時期なのかもしれません。

 

話を戻し『消えたベラスケス』は本当にミステリーのようで、引き込まれて読みましたし、ベラスケスという画家にも興味をもちました。(夢中で読んでいて、地下鉄の降りる駅を乗り越したことあり)

 

『消えたべラスケス』で絵の処分について書かれた文章を引用します。

 

第17章 幻の絵

 

 長年にわたり、膨大な数の肖像画が失われてきた。描かれた人物が世を去ると、次の時代にスペースを譲るために、その肖像画もまたこの世から旅立つ。どんなに貴重な絵でも、かつてどれだけ大事にされた絵であっても、そのすべてを空調のきいた殿堂に永久保存するわけにはいかない。次々と肖像画が寄付されるものだから、うちはパンクしそうだ、と美術館の館長たちは嘆く。なんだか絵の墓場のようだ。

 肖像画を廃棄したり火葬するなど芸術に対する暴挙だと思うかもしれないが、実際にはそうしたことが普通に行われている。以前、あるイギリスの画家が「不要になった絵の人道的処分」のためにロンドンのあるギャラリーに大型のゴミ箱を配置した。するとロンドンじゅうの人たちが、罪悪感やジレンマ、持て余した絵画から解放されるためにやってきたのだ。

 

この文章の「罪悪感やジレンマ」を読んで、この「絵画」を「人形」や「写真」に置き換えるとわかりやすかもしれないと思いました。一昨日書いた「古い人形をどうするか」や、「写真」のお焚き上げを依頼したり。

 

写真が残るのもあと少しの間で、これからのスマホやデジカメの写真はパソコンの中で埋もれていくのかなと思います。

個人レベルでの「何を残すか」と国レベルの「何を残すか」もこれからの課題になるかもしれません

 

書き始めたら力が入り、長くなりました。

 

お知らせ 小説 老前整理 わくわく片付け講座 20 サポーター殺人事件(1)をHP2にアップしました。

 

そこで長くなりついでに、よもやま話も掲載


この話のタイトルは、元は「アドバイザー講座」でしたがミステリー好きが高じて「サポーター殺人事件」にしてしまいました。(苦笑)

それにこの話はものすごく長いです。他の話の数倍。ブログ小説で書いていた時は、毎日少しずつ書いていたので、長くなると前の

話がどうだったかわからなくなるし、遡るのも大変なので比較的短くまとめていたのですが、この話は書き出すと止まらなくなったというか、面白くなりました。

それに人を1人殺すというのは、お話にしても大変で、こうして長くなりました。しかしこのように自社のHPだとある程度の量が書けますし、書いても誰にも迷惑をかけないというか、いつでも読めるし、読みたい人だけ読んでいただければよいから、これは自分でHPをつくる利点だなと思っています。

 

今度こそ、本日はおしまい。最後まで読んで下さりありがとうございます。

 

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