46個の梅酒の瓶  6月11日

  • 2019.06.11 Tuesday
  • 10:17

2014年12月3日に東京新聞の「坂岡洋子の1,2の老前整理」に書いたコラムです。

『転ばぬ先の老前整理』(東京新聞)にも掲載しました。

今、読み返すと、この話も「ひとり暮らしとコミュニケーション」についてでした。

 

 

46個の梅酒の瓶

 

 先日、80代のひとり暮らしの女性Tさんから相談を受けました。

毎年漬けた梅酒の瓶に台所が占領されてどうすればよいのかわからないというのです。

 

驚いて「一体いくつあるのですか」と尋ねると、4リットルの瓶が26だそうですが、捨てるのはしのびないし、重いので最近は動かすのもつらいとのことでした。

 

まず疑問がわくのが、なぜそんなに大量の梅酒があるのかです。よほど好きなのか、買い込んだのか、売ろうと思ったのか。重ねてお訊ねすると、漬け始めたのは結婚してすぐで、十二年前に亡くなったご主人が毎晩飲んでおられたそうです。

 

亡くなってからも夫が好きだったということで何となく続けていたらこうなってしまったとのこと。

 

Tさんはお酒に弱いそうでまったく飲まず、遠方で暮らす子供たちも見向きもしない。

 

それならやめればよさそうなものですが、庭に梅の木が数本あり、たくさん実がなるからもったいないということでした。

 

四六個の梅酒の瓶と聞くと「なぜ?」と思うのですが、ご主人のへの思いと庭の梅の木の話を聞くと、なるほどと思います。

 

このように他人から見れば「なぜ?」と思うこともよく聞いてみると、それなりの理由があるのがわかります。

 

 ここでまず今ある梅酒をどうするのかという問題です。地域の自治会の会長さんに相談して、欲しい方にお配りすることにしました。梅の実も婦人会に提供して公民館の料理教室でジャムにしてもらうことになりました。

 

Tさんは梅酒の瓶に囲まれて、何年も悩んでいたそうですが、今回のことで地域の方との交流も増え、ジャム作りにも参加するそうです。「こんなことならもっと早く会長さんに相談すればよかった」というTさんの言葉は、他の悩んでいる人にも当てはまるかもしれません。

 

ひとりで悩まずに地域の信頼できる人に相談してみると解決できることもあるかもしれませんね。

 

老前整理の人間関係リスト  4月15日

  • 2019.04.15 Monday
  • 10:01

 

今日も晴れて気持ちの良い週明けです。

 

本日は老前整理の人間関係リストを紹介します。

 

ものと共に、人間関係も見直しましょうという提案です。

写真は拙著、書き込み式の『老前整理実践ノート』(徳間書店)の1ページです。

 

 

具体的に老前整理の人間関係リストを挙げます。

 

・会いたい人

・会えなくてもつながっていたい人

・一緒に旅行に行きたい人

・食事や飲みに行きたい人

・映画やコンサートに行きたい人

・趣味の友人

・ときめく人

・入院したら知らせる人

・その他

わかりにくいかもしれませんが、少し説明を加えます。

 

会いたい人は、仲の良い友達とか、一番身近な人です。

 

 

会えなくてもつながっていたい人は、遠方に住んでいて、なかなか会えないけれど、相手がどうしているか気になる学生時代の友人や先輩、恩師などのことです。

 

 

一緒に旅行に行きたい人を考えると、限られます。家族以外でバスツアー、ましてや宿泊を伴うと、誰でも一緒にという訳にはいかないでしょう。それだけ気心の知れた、旅を一緒にして楽しい人になります。

 

 

食事や飲みに行きたい人は、楽しくお酒を飲んだり食事をしたい人のことです。

 

 

映画やコンサートに行きたい人は、好きな映画、コンサート、美術展など興味や嗜好が似通っている人。

 

 

趣味の友人は、釣りや山登り、マラソンなど特定の趣味を一緒に楽しめる友人。

 

 

ときめく人は、いくつになってもときめきが人生を豊かにしてくれますので、加えました。コンビニの女性の笑顔にうれしくなるとか男性歌手の○○が好きだとか、淡いあこがれのようなものです。(気持ちが高じてストーカーにはならないでくださいね)

 

 

入院したら知らせる人は、自分が入院した時に友人に見舞いに来てほしい人と、逆に病床の自分を見られるのが嫌だから見舞いに来て欲しくない人もあります。このあたりもどちらにしろ日頃のお付き合いで、考え、知らせておいてはどうでしょう。

 

 

その他は、思いついた項目、人を挙げてみてください。もし終活をしておられるなら、自分に万が一のことがあった時にはこの人に知らせてほしいと家族に伝えておくことも必要です。

 

 

一応、思いつく項目を挙げてみましたが、同じ項目に何度も登場する友人や空欄もあるでしょう。

まずは書き出してみることです。

 

もし、ほとんど空欄であれば、一度人間関係を考え直してみてはどうでしょう。

友達が多ければよいというものではありませんが、いざという時、困った時に相談できる、助け合える友達がいればお互いに心強いのではないでしょうか。

 

友だちを作るというのは、年を重ねるほど難しくなります。

以前、ある地域の老人大学で老前整理の講演をしました。その時に、「もし3つの願いがかなうとしたら何を願いますか」と70代の男性に聞いたときに「友だちが欲しい」とおっしゃり、驚いた経験があります。

 

確かにそうなのです。友だちはお金で買えない、一朝一夕にはできない。減ることはあってもなかなか増えない。

人間関係の棚おろしは何十年も年賀状のやりとりだけで、もう顔も思い出せない人とのつながりより、身近な友人を見直すこと、人と関わる努力をすることでもあります。

 

これが老前整理の人間関係の棚おろしです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日で3年 熊本地震  4月13日

  • 2019.04.13 Saturday
  • 12:51

 

今日も晴れています。

昨夜は久しぶりにきれいな上弦の月を見ました。

今週は私事でいろいろあり凹んでまして、胃が重く、食欲がありません。

私には非常に珍しいことですが、改めて心と胃はつながっているのだと実感。

おかげで3キロ体重が減りました。案外私はデリケートなのかもと思う今日この頃。

 

ところで明日は熊本地震から3年になりますが、まだ復旧したとは言えない状態のようです。

 

本日2019年4月13日付読売新聞の記事によると

熊本地震の被害と現状

直接死―50人、関連死―218人(前年比6人増)、二次災害死―5人、家屋被害ー19万8119棟、

仮設入居者数―1万6519人(前年比2万1593人減)

まだ1万6519人の方が仮設におられるのが現実なのですね。

仮設の方の数もそうですが、なんとか住んでいるけれど家が壊れているとか、職場が壊れた、仕事がなくなったとか、様々な問題を抱えておられる方も多いでしょう。現地でないとわからないことも多いと思います。

先日も東北の復興の件の失言で辞任された大臣がおられましたけれど、熊本の復興もなかなか進まないようです。

 

このような災害におけるキーワードの一つが「喪失」ではないかと思っています。

家族、友人、知人を失くした人。家や家財道具を失くした人、仕事や職場を失くした人、それまでの普通の暮らしを失くした人。

この喪失が「心」にダメージを与えます。

 

老前整理でもこの「喪失」について考えています。

老前整理をしたいけれど、亡くなった親や配偶者の荷物を片付けないと(=遺品整理)自分のものの整理ができないという方がたくさんおられたからです。

この遺品整理について私が担当した2018年のNHKラジオ講座テキスト「老前整理の極意」

第10回 遺品整理をどうするか から紹介します。(NHK出版写真)

 

心の整理

 

 前略 遺品整理も老前整理と同様、ものの整理をするためには心の整理が必要です。遺品整理の場合の心の整理というのは、いやでも愛する人を失った悲しみと向き合わなければなりません。多くの人は、実際に愛する人を失うまで、その別れの悲しみがどのようなものか、想像するのも難しいでしょう。また亡くなった人との関係、どれくらい親しかったのか、亡くなった人が人生のどのような時期だったか、どのような状況で最期を迎えたのか、によっても悲しみの色合いがそれぞれ違います。

 このように「遺品整理」ということばでひとくくりにはできません。もし悲しみで遺品整理に手がつけられない人がいれば、そっと見守ってあげてください。今できるのはそれだけでしょう。

 

悲嘆のプロセス

 

わたしが遺品整理について悩んでいるときに出会ったのが、キャサリン・サンダース『家族を亡くしたあなたに』(ちくま文庫2012年)です。家族を失った悲しみというものがどういうプロセスを経て再生に向かうのかについて詳しく解説していました。ここのサンダースのいう悲嘆の段階的な変化」を簡単に紹介します。

家族や愛する人を失い「ショック」を受ける。

◆崛喙困鯒Ъ院することで余計悲しみが深くなる。エネルギーを使い果たすと、絶望に似た体験をする。

自分の殻に「ひきこもり」落ち込む。次に回復しながら未来や希望について考えられるようになる

ぁ嵬し」の時期。

最後は「再生」で心も安定し、目が外に向くようになる。(数字は筆者)

このようなプロセスを経て、自分の暮らしを少しずつ取り戻していきます。しかしそれぞれの段階で何年かかるか、どのような事態が起こるかは一概に言えません。

(追記  銑イ班ずしも順番通りにはいきませんし、いら△筬イらに戻ることもあるのでこの点ご注意ください)

 これは先にも書いたように、亡くなった人との関係や悲しみを受け止める人の性格や環境それぞれの事情にもよるでしょう。

 ここで遺品整理の話に戻すと、遺族がこの悲嘆のプロセスのどの段階かにより、対処法も考えなければならないということです。

 故人の持ち物がそのまま残されていることで、絆が続くと思う場合もありますし、慰めを感じる場合もあります。だからこそ心の整理がつかなければ手がつけられないのです。

 前略 ここで夫や妻、子ども、親と分けて書いているのは、それぞれの立場の違いがあり、ひとくくりで遺品整理と片づ付けられないからです。わたしも以前家族を亡くした方に対して、「日日薬」(ひにちぐすり)、つまり時が経てば治りますよということばを口にしたことがあります。しかしこれは誤りでした。悲しみの受け止め方、回復の時期は人により違い、月日がたっても癒されない傷、忘れられないこともあるということをたくさんの方から教えていただきました。また一人ひとり悲しみの受け止め方、悲しみ方も違うことを知りました。

 

このような悲しみを癒すのには次のようなグリーフケアがあります。

グリーフ‐ケア(grief care)

グリーフ(grief)は、深い悲しみの意》身近な人と死別して悲嘆に暮れる人が、その悲しみから立ち直れるようそばにいて支援すること。一方的に励ますのではなく、相手に寄り添う姿勢が大切といわれる。悲嘆ケア。デジタル大辞泉より

私も2016年から2年間、上智大学グリーフケア研究所でグリーフケアについて学びましたが、知れば知るほど奥が深く、

また、上記のテキストに書いたように一人一人悲しみ方、悲しみの表し方、受け止め方、回復の時期が違うということです。

また時がたったから、必ずしも悲しみが薄れるという訳ではありません。

人を失った悲しみと共に、家や家財、仕事を失った喪失による悲嘆もあります。悲嘆は目には見えません。元気な振りをして言葉に出せない人もおられます。

熊本地震から、「もう3年たったのだから」という言葉に、傷つく人もおられるかもしれません。周囲に傷ついた方がおられれば、見守ってあげていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

和服・洋服・サリー  4月3日

  • 2019.04.03 Wednesday
  • 15:35

 

今日も晴れて花冷えの大阪です。桜の花は長く咲くかもしれません。

こういう時に着るものに迷います。

 

本日のお題は「和服・洋服・サリー」です。

3つの共通するのは衣類だということ。

和服

和服、きものがすごいなと思うところは畳めばぺったんこの平面になること。

振袖も袴もきれいにたためるので、収納も場所を取らずたたんで収納。

 

 

洋服

平面で構成される和服と違って、洋服の基本は人間のからだに合わせて作る立体です。

ドレスも背広なども、収納の基本はワードローブなどの掛ける収納です。

 

 

インドのサリー

1枚の布のサリーもコンパクトにたたんで収納します。

40×25×1僂任后

 

 

 

上の写真のサリーを着たところ(向かって左端)

 

収納の点から見ると、和服もサリーも場所を取らず、ほぼ同じ大きさにたためて、すごい知恵だと思います。

日本の文化ではきもの以外に風呂敷も布団もたたんで収納します。それがバッグになり、ベッドになりました。

つまり平面から立体への移行ですね。

 

きものを着る機会が少なくなっているのが残念なのですが、普段の生活できものというわけにはいかないのが実情です。

その点、サリーはすごいと思います。

 

そこで書いたのが 小説 老前整理 21 インドで瞑想すると人生が変わる? で、インドに旅した裕福な女性が持ち物を処分してサリーとカレーの店を開く話です。

 

ひとくちに収納と言っても、その国の文化や環境と関わって変化していくのだと思います。

今回「たためる」ことに注目しましたが、そのうち、テニスボールくらいの大きさの、たたまなくてもよい繊維の服が開発されるかもしれません。すると洋服の収納で頭を悩ます必要がなくなるかも? いや、スプレーを吹き付ければ服のように張り付くボディスーツが生まれるかもしれません。妄想は続く〜♪

 

ポップアップの本3  3月18日

  • 2019.03.18 Monday
  • 13:52

 

晴れてすっきりした大阪です。

暦では今日が「彼岸の入り」ですが、2,3日前から彼岸団子が並んでいます。

 

POP-UPの本といえるかどうかですが、本日はこの本から紹介。

 

子ども向けの片付け本です。

作 アーメル・ボイ 訳 うみ ひかる『トムとレアのおかたづけ』

西村書店 2006年

 

 

探し物を見つける話で、洋服ダンスの扉や引き出しが開くようになっています。

 

 

この本はPOP-UPです。

作 ルーシー・カズンズ 訳 なぎ ともこ

『メイシーちゃんのあたらしいおうち』 偕成社 2008年

 

 

ページを開けると、家が出現。これはベッドルームですが、2階建てになっていて他にリビング、キッチン、浴室と4つの部屋バーッと現れます。

 

 

小物が別にあり、切り取って部屋の中に自由に配置するようになっています。

ドールハウスの絵本バージョンでしょうか。

 

 

どうしてこのような絵本を求めたかと言えば、子どもに片付けを教える場合、どのような方法かと知りたかったからです。

老前整理は中高年が対象ですけれど、子どものうちから「片付け方」を身につけておけば大人になっても苦労しないのではないかと思いました。そこで子ども向けの片付け絵本を探してみました。

 

今日HP2にアップした 小説 老前整理 わくわく片付け講座 26 片付け本を読んでも片付かない これは10年前に書いたもので、妄想のフィクションですが子どもたちに出前授業として片付け方を教える試みです。トランプを使っての説明は現在の講演でも使っています。

 

 

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